自分一人が投票したって、何もこの最悪な状況は変わらないって言う人みると
「ただめんどくさいだけでしょ?カッコつけんじゃねー」って思う。
アートを勉強していて、色々「これは意味があるのか?」みたいな”意味がある”行動をたくさんみてきたけど
選挙に関してだけは、意味があることをしないといけないと思う。
何が言いたいかと言うと
「今の政治家では何も変えられないから」とか「自分の大事な一票をこんな政治家たちにあげたくない(?!)」とか「私の政治への諦め、嫌悪感を白票に示します。」とか(白票は、今の政府を容認しているだけでなんの抵抗にもなってない)正直そういうのは
まじでカッコつけんなよ…..としか思わない。
カッコつけてるわけじゃないかもしれないけど、悟った大人を演じるの、やめよう。今そんなこと言ってる状況じゃないから。
(私はなんでも過激に考えるたちなので、安保闘争の時代に生まれてたら酷かったろうな〜と思う。)
私の周りでは選挙に行く人ばかりだし、今の政権のヤバさを非難するツイートなどが毎日私のタイムラインを埋め尽くす。
それは私に今の日本の戦前のような様子を伝えるし、焦燥感や不安、やるせなさや怒りを抱かせる。しかし、それに危機感を持った人がたくさんいることは私を少し安心もさせる。
それより、ネトウヨのバカ煮詰まったツイートが多くの賛同の言葉とともに何万リツイートで回ってきたときの方が私を何倍も疲れさせる。

危機感は持ってるし、自分の中で燃えたぎる何かは感じるんだけど
周りを巻き込んで行くのって本当に難しい。
自分と同じ意見の持ち主と一緒に盛り上がるのはとても簡単だし、ある種の気持ち良さがある。
でも3.11以降、原発問題の話してると「自分と根本的に違う考えを持ってる人と話し合うのってかなり消耗する」ってことがわかった。そして、自分がいくら原発の危険性とかの話をしても全く聞く耳を持たない人々にも疲れた。
自分は長崎にいて、幼い頃から原爆でどんな恐ろしいことがあったかずっと学んできたし、周りの人もそうだった。原因不明の病で苦しみながら死んでった人の話とかなんども聞いたはずなのに。
福島で帰る場所がなくなったり、ヨウ素を摂取したりする福島の人の姿を見ても「電力が足りないから、原発は必要だ」って言っている人たち。
それでもいざ自分の身の回りで起こると、とっさに「私はきっと大丈夫」ってぼんやり脳みそにバリアー張って考えることをやめちゃうのかな。
原発のことはいろんな意見あるけれど、情報を調べれば調べるほど、答えは一つだってわかるはずなんだけどな(とかこんなこと言ったら、情報のソースの信用性とか聞いてくる人いるけど、自分で調べてくださいって感じだ。今起こっていることを知るのをめんどくさがったり、その情報が本当に正しいのかを確かめることを怠っているのは自分なのに、人に文句ばっか言ってんな。)
根本的に考えが違うって人は、ただ持ってる情報が少なすぎるってだけでお話にならないことも多かった。意外とそれだけが原因だったりもした。
でもそんなこと言っても上から目線になるだけで、相手はさらに「バカにされまいぞ」と意固地になって自分の主張を曲げなかったりする。もちろん言ってないけどね、否定ばっかりしたらそうなってしまうし、中学生の私は若かった、意地になって自分の考えがいかに正しいかわからせようとしてたと思う。そうなるとただの子供の喧嘩だ。
そして、実際中学生、高校生だと、その情報源が親からだったりもする。親の商業や立場で意見も変わってくるし、中高生の年代だとまだ親の言うことが(無意識にでも)絶対正しいと思っている時期でもある。そうなると、自分たちでいくら話し合っても最終的には「いや、でもお父さんがこう言ってたから..」みたいにグラグラ不安定なところに自分の塔を建てようとしたりする。(自分自身、親からの情報に影響されてるのは否めないし…)
いくらあがいても伝えきれない自分の思い、ポカンとした表情のままの周りの人の顔、次第に重くなっていく倦怠感。
もちろん、自分が間違ってないか、なんてずっと疑っている。それはきっと死ぬまで続くことだ。

今の日本の政治を変えたいと、盛り上がるばくばくとした心臓を感じると同時に
高校生のころの思い出が、うっすらとした諦めを私の周りに漂わせる。
「どうせ…またこの選挙もみんな行かないんだろ?」
高校も卒業する頃、選挙権が18歳以上からになって、そして私はドイツに渡った。
ドイツに行ってからというもの、あんなにずっと考えていた原発のこと、すっかり頭の片隅。必死になって友達に語り、読書感想文でも無理やり原発に絡めて書いていた高校生の頃の私、跡形もない。
いや、ずっと原発のことは考えているんだけど、物理的に遠のいた分だけやっぱり危機感が薄らいでしまった。自分の熱い思いなんて、結局その程度のものね。
ドイツにきて、福島のニュースを時々みる。日本のテレビで見るよりも、もっと深刻に。自分が子どもの頃、眉を顰めてチェルノブイリのドキュメンタリーを見ていた時と同じ気持ちで、ニュースを眺める。でも、これは遠いロシアでおこった話ではない、自分が生まれ育った日本での出来事。
明らかに「自分の身に起こっている」という不安な気持ちは薄まってしまったけれど、ずっと心の隅に「日本はやばい」っていう不穏なざわざわした気持ちがある。今日もツイッターには時代錯誤な法律が可決されたニュースが流れてる。
「どうせ、ドイツにいるから他人事でしょ」と言われた。
私は日本の政治のありかたは嫌いだけど、日本は好きだ。
嫌だな、日本、って思うこともたくさんあるけど、その根本を辿れば今の腐った政権が元であることも少なくない。
日本を離れた今、毎日驚くようなことばかりが日本で起こっている。女性がこんなに生きづらい国だったんだ、なぜこの人は起訴されず、この人は批判されてるの?議会が開かれていない。警察は一体誰のもの?本当にこれは今の時代に起こっていること?

選挙が終わった今、こんなこと書くのは遅いかもしれないけれど
在外選挙権の手続きの体験談を書こうと思います。
在外選挙権持ってなくて、今回の選挙に参加できずに悔しい思いをしていた人も多い印象があったので。
私がドイツにきた18歳の夏、日本で選挙がありました。しかしまだ三ヶ月住んでいなかった私には在外選挙登録の資格がありませんでした。
登録資格
- 年齢が満18歳以上の方
- 日本国籍をお持ちの方
(帰化等により日本国籍を失った方は対象となりません。) - 当館管轄地域内に3か月以上お住まいの方
(3か月未満の方も申請は可能です。その場合,申請書を一旦お預かりして,3か月経過時に改めて申請者の住所を確認した上で,手続きの再開となります。)
申請方法
- 本人による申請
- 申請人のパスポート又はそれに代わる身分証明書(運転免許証等)
- 当館管轄地域に住居を定めた日から,登録申請日まで居住していることを証明する書類(ドイツの住民票(Meldebescheinigung),滞在許可証、住居の賃貸借契約書、公共料金の請求書等)
ただし、手続を行う時点から遡って,3か月以上前に当館で在留届を提出された方は不要です。 - 在外選挙人登録申請書(必ず申請者ご本人が署名して下さい)
- 同居ご家族による代理申請
上記の書類に加えて - 手続を代行される方のパスポート
- 申出書(申請者からの委任状となりますので,必ず申請者ご本人が署名して下さい)
私はパスポートの延長手続きのついでに、ベルリンの大使館で在外選挙登録しました。
そして注意点なのですが、
申請してからから二ヶ月ほど経って、やっと選挙人証が届くので
まじで早め早めに登録しないと選挙に間に合わないです。

選挙期間になると
「7月9日から15日まで選挙期間です」ってなメールが大使館から届きます。
選挙人証とパスポート持って、大使館へ。
入ったら、封筒に名前とか住所とか書いて(側で係りの人が説明してくれる)
「参議院選と比例選どちらもするか」聞かれて(もちろんyes)
二つの封筒渡されて、政治家の名前書いて封して、渡して終わりです!
めちゃ簡単!
簡単なんですけど、私は一回封筒間違ったのでやり直しました!!
間違わないことが一番ですが、間違っても、やり直しはききますので遠慮せずに声出しましょう「すみません、あの、白い封筒に入れちゃいまいした….」
「ふぇ?!」って言われてすごく難しい顔されましたが(いやイケるやろ、やり直しきくやろ)とふてぶてしい顔してしまったかもしれません、私。
投票したあとに感じる心のふわつき、思わずニコニコしてしまいました。
日本にいる友達が「投票完了」のスタンプ貼ってインスタストーリーに投稿してるのたくさん見れて、ちょっと気持ちも軽くなりました。
今、この文章は遅すぎるかなって思ったのですが
「選挙が終わっても政治が終わったわけではないからね」という言葉に後押しされて、今日はこのこと書きました。
それでは、また。
次の選挙もあることを願います。