昨日はガラス工房に初めて行ってきました。施設の説明や、作品紹介を軽くしてその日は終了。大学に戻って作業をする私。

次の日は、みんなで博物館と絵画館へ見学に。

それぞれが考える『贅沢』の定義とそれを表す物体（Object）を持ってくることが課題だった。

『贅沢』の定義はよく考えてみたら結構あやふや。人や、その状況（貧富、時代や環境）によって贅沢なことは違うだろうし、ただ単に「高い」とか「浪費」とかの言葉で済ませてしまっていいものだろうか。

香水って私にとっては贅沢で、別になくても生きていけるけれどあったら生活を豊かにしてくれるものだと思っている。でも、近代では風呂に入る習慣がなかったため（梅毒にかかりやすいと思われていたとか）臭い消しとして使われていたり、と今とはちょっとかなり趣が違う。もちろんそのころも貴族に使われるような贅沢品ではあったのだが。

引っ越した家にはプラスチックの皿しかなかったので、それを使って食べてたらだいぶ貧しい気持ちになった。（ピクニックうあパーティーで使う分にはいいんだけど、普段の夕食とか頑張って作っても軽いプラスチックのお椀に盛られただけでちょっと食欲なくしていた。）でも最近陶器の皿を見つけて、それに食べ物をもって食べたらだいぶ心が満たされた。自分はプラスチックの器にここまで心がやられるなんて知らなかったし、陶器で作られたものがかなりの安心感を与えてくれることも知らなかった。陶器の器が果たして贅沢なことなのかは分からないが。

『贅沢』の象徴としてみんなが持ってきたのも様々。香水や磁器のウイスキーボトルから、スタンプを集めてもらえるミニカーやガールフレンドからもらったコーヒーメーカー。チューターはmac book proが彼女にとっての贅沢だと言った。

資生堂は、ドイツでは高級品だけど日本ではそうでもないのよね？と急に教授に振られて困ってしまった。私が日本にいた頃は化粧品なんて買ったこともなかった、資生堂といえばお母さんが大事そうに顔に塗ってる美白化粧水のイメージしかなかったので。日本人として大学にいると、いきなり日本に関する質問が投げかけられたりするので（しかも大抵ぼーっとしてるとき）あまり気が抜けない。

（誰かが In Japan, で語り出したらめっちゃ緊張する）

この今までみたこともないような盃を言葉だけで記述して、まだ盃を見ていない人がどんな想像をするのかを楽しんだ。

「一番上に、金色の風車が付いていて息を吹きかけると回るんだよ。」

「上下逆に置かれてるの」

「全体的な大きさは30cmくらいかな」

みんなでかなり正確に言い表していくが、言われている側は自分が思い浮かべているものを全く信じられない、といった困惑した表情を浮かべていた。そりゃそうだ。

これは、中国風にドイツ人が作ったもの。中国人の友達によると、ふっくらした頰と尖ったあごが美の基準としてあったので、この器に描かれた顔は外国人によるものだろうということだった。（顔が細すぎて、装飾過多、とのこと）

日本風に作られたものって、すぐに気づく。でも中国風となると、ちょっとぱっと見ではわからないなと思った。

博物館のあとは、美術館へ。

チューターが選んだ二、三枚の絵についての解説そしてみんなで色々いう時間。（あんまり覚えてない。）

上の絵では、真ん中の青い箱がクーラーボックスに見える、浮いて見える、といった話が出た。筆の跡も全く残っていないような絵って普段は見ててもつまんないんだけど、今日は「見学」という形をとっていたからか興味深く観察できた。

その日は夕方まで続いた。終わったあとは皆ぞろぞろと逃げるように帰っていた。やっと一週間が終わった、クラスの人たちも朗らかであまり緊張していない自分がいる。意見がいいやすい環境。誰かと目があっても微笑む余裕が、大学生三年目にして私にも出てきた。

それでは、良い週末を。