今日はドイツの美大に通うUさんにインタビューをしていきたいと思います!
Uさん
日本の美大を卒業後、ドイツに移住。
現在はドイツの美大で絵画(Malerei)を学んでいる。
ではでは早速始まります!
〜美大受験準備編〜
Q.なぜドイツの美大に興味を持ったのですか。
A.ドイツのアーティストに興味があったからです。
日本で学生をしている時から、ドイツのアートシーンに関心がありました。また、ドイツにいる日本人アーティストを通して情報を得ていくうちに、行きたい気持ちがさらに強くなりました。
学費が安いのも大きな理由の一つです。
Q.日本では、受験準備をしましたか。
A.していません。
NHKドイツ語講座などで軽く勉強していましたが、ドイツに来てあまり役に立たなかったことを覚えています笑。
Q.ドイツではどのような準備をしましたか。期間はどれくらいでしたか。
A.ドイツ語の勉強から始めました。
ドイツの美大受験では、必ず教授との面接があるのでドイツ語もしくは英語が必須です。
私の場合は、日本の美大を卒業しているので基礎的な準備(デッサンなど)はせず
できるだけ作品数を増やし、Mappeの質をあげることに集中しました。
今までやったことのない表現方法や、新しい素材を使っての作品作りを心がけました。
ドイツ語学学校に一年通い、Mappe制作には半年かけました。
Q. Mappeとは何ですか。
A.ポートフォリオのようなものです。
ポートフォリオとは、作品の写真にキャプションをつけて提出するものですが、Mappeの場合は実際の作品を大型のファイル(A1サイズ以上になることも)に入れて提出します。なので、かなり自由度が高いです。
※写真や彫刻、映像専攻の場合は写真や映像の提出もある。
Q.受験の時一番辛かったことなどはありますか。
A.自分の語学力のなさを痛感した時です。
自分の作品をプレゼンテーションするのに必要なドイツ語力がなく、うまく説明しきれなかったり、教授からの質問が理解できなかったりした時は悔しかったです。
Q.大学は何校くらい受けましたか。
A.三校です。
何校も受けると提出時期が被ってしまうので、Mappeを複数用意しないといけないのも大変でした。
ちなみにMappeは一つにつき20作品(制限がない場合は30作品以上)入れなければいけませんでした。
Q.試験ではどのようなことをしましたか。
A.一次試験でMappe提出。
Mappeが通れば、二次試験に進めます。
だいたい二次試験は二日、三日にわたって行われ、その間は作品制作と教授との面接があります。作品制作に課題やテーマなく、いつもやっていることをします。(本人確認のようなもの)材料や、道具は持参します。
面接では主に作品のことを聞かれます。(コンセプトや、作品のテーマ)
他にも志望動機(なぜこの大学を選んだのか、一度大学を卒業したのになぜまた美大受験をしたのか、など)を聞かれます。
面接の部屋に入ると、中央の机に自分がMappeとして提出した作品が並べられており、10人くらいの教授の前で作品について説明したり、質問に答えたりします。
教授は意外とフレンドリーに接してくれるので、そんなに緊張しませんでした。
Q.日本の美大を出ていて有利だったことはありましたか。
A日本で培った技術力。
日本の大学ではまずデッサン力や技術力が重視されるため、その点では他の受験者より有利だったのではないかと思います。基本的に日本の学生の方が上手いです。(良くも悪くも)。逆に言うと、ドイツの美大は、デッサン力がなくても作品が面白かったり、ポテンシャルを評価されれば合格できます。
Q.すでに美大を出ていたにも関わらず、Diplom(5年制大学)に進んだのはなぜですか。
A.ドイツにより長く居たかったからです。笑
Master(大学院)だと2年くらいで卒業になってしまいます。
海外で制作を続けていくには2年では短すぎる(勿体無い)と思ったので、私はDiplomを選びました。
Q.合格後、入学前の準備は具体的にどのようなことをしましたか。
A.保険の加入、ビザの延長など。
入学許可を得るには国民保険の加入や、語学力の証明が必須です。
国民保険は比較的簡単、1日で手続きは済ませられました。
Q.ドイツ語はどのレベルまでいきましたか。
A. B1です。
大学によっても違いますが、私の大学の場合はB1の証明で十分でした。
また語学力証明には、入学後一年以内の猶予があったので比較的ゆるかったと思います。
インタビューはまだまだ続きますが、今回はこの辺で。
次回はドイツ美大の様子などを聞いていきたいと思います!
お楽しみに〜