ドイツの美大でやってること~3Dプリント磁器 no.2~

3Dプリント磁器の準備が終われば、今度は実際に使ってみようということになる。

クラスのみんなは3つのグループに分かれて、それぞれの課題に取り組む。

私たちのタスクは、既存(or自分で作った)の磁器に3Dプリントした磁器をくっつけて新たなものを作るというもの。例えば、コップの持ち手を3Dプリントしたり。

最初にメンバーでどんなものを作るか話し合う。このProjectではマスターの学生もバチェラーの学生も一緒くた。正直かなりの力の差を痛感することもあるが、バチェラーの時点では到達できないような高いレベルの作品を今、間近で見られるのは良いことだと思う。(相手にされてない感が悔しい時もあるけど)

私は中高一貫校に通ってて、小学6年生の時に受けた面接では「中学生の時から、高校生の姿が隣で見られるのは良い刺激になるし自分を高めてくれるのではと思います。」みたいなこと言ったのを思い出した。実際高校生と触れ合うのなんて体育祭の時だけだったし、運動場駆け回るひとまわりふた回りでかい高校生たちを眺める私たちは所詮たんなる彼らの祭りのお飾りだった。だらしない高校生の先輩を見ては「ああはならないようにしようね」とこそこそ言い合うのが常だったし、お手本にしようなんて思った高校生なんていたのだろうか。

でも三年経って、白くてダサい運動靴を脱ぎ捨て、黒く光るローファーを手に入れた私は中学生の私のことなんてすっかり忘れて、高校生活をとても楽しんだ。

話がだいぶそれてしまった!

大学に至っては、中学生高校生みたいなものはまるでなくて(当たり前)年齢もバラバラだし何より距離が近い。彼ら(マスターの学生)に直接アドバイスをもらえるし、何やってるかすぐに聞ける。自分が将来こんなになるのかは想像つかない。ドイツの美大は自分で知識をつけていかないと置いてかれる感じがある。

3Dプリンタはこんな見た目
手前の銀色のシリンダーに液体状の粘土が詰まってる。
一番簡単な形。絞り出していく

プリント速度や粘土を絞り出す量を調整しながら、色々実験していく。

粘土は柔らかく変形しやすいので、あえて蛇腹状に折った紙の上や段々に重ねた木の板の上に絞り出したりし(ほんとは印刷、って言い方が正しいのかもしれないんだけど、機械の動きがまさに絞り出すって感じなんだよね)て、あえて土台の形に影響されてみたりする。(写真手間のとか)

これは中央の方が、重さで凹んでしまってる。この予想外の形を面白いとするか、否か。自分の手で作れないことができるのは確か。

印刷中もドライヤーで絞り出された粘土を乾かして、あまり変形しないようにするのも手。

これはあえて、そのまま放置して、垂れてるのを楽しむ。

3Dプリンタが動いてる時の軋み音が、かっこよくておもわず録音しちゃった。

Curaで調整してるの図

まずRhinoとかグラスホッパーなどのCADソフトウェアで作りたいものをデザインして(その時点で3D印刷できるかできないかのチェックがチューターから入る。結構印刷できない形もあるみたい。印刷の仕組みを理解すればできないことはだいたい予想できる。あえてそのまま押し通してどうなるのか見てみてもいいけど。)絞り出される粘土の幅も決まってるので、それも考えながらの設計。

データはCuraってソフトに移動して、そこでまた調整。印刷密度決めたり、印刷速度調整したり色々あるんだよ…。Curaは普通の3Dプリンタ使うときも必要になるソフト。

データをSDカードにうつし、機械に差し込んでまた微調整したら印刷開始。結構始まり方はあっけない。


アップルパイみたいだろ。
直径6センチ、厚さ2センチのシリンダーが16分くらいで出来上がる。

今日はこんなところで終わります。それでは、また明日から大学です〜〜〜

Please follow and like us:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です