砂漠ツアーからかえってきた次の日は、意外と早く起きることができた。
さっさと支度して、宿をでる。
階段で掃除のおばさんに会う、聞きたいことがあったのだがフランス語(とアラビア語)しか通じない。Google翻訳を使って、軽く会話する。
今日はやらなければいけないことが一つあって、それさえ済めばあとはどう時間を使ってもいいという日だった。中休み的な1日。
やらなければならないのは、明日のエッサウィラ行きのバスチケットを買うということ。
バスはCTMに乗ることに決めた、(あとで見たらSUPRATOURSの停留所の方が立地が良さそうだった。)
バスチケットはオンラインでも買える、という情報もあったが
どのサイトも、最後の最後でカード決済に失敗する、という結果に至っていたのでバス会社まで直接行ってチケットを購入することに。
もちろん席に限りがあるので、チケットは前日に買っておくことをお勧めします。
ちなみに行ったCTMバス乗り場はここ
特にやることもないので、CTMまで40分以上かかるが歩いて行ってみようということに。
2月というのにかなり暑かった、日差しもきつく、サングラスを持ってこなかったことが悔やまれる。
途中でKFCを見つける。(フライドチキンの有名チェーン店)
連日のモロッコ料理に辟易していた友達がここぞとばかりにアピールしてくる。
しかし、私たちには迷いがあった。
実はもうすでに昨日の時点で、ここのKFCの存在は認識済み、Googlemapで口コミまでくまなくチェックしていた。
そしてここでの口コミが今まで見た中でとにかくひどく、最低だった。
『世界で最悪のKFC』
『ぼったくり、会計もちょろまかしてくるので注意が必要』
『まずい』
『クソまずい』
しかし、KFCの店の前で心躍らせる友達の姿をみては、きっと(まずいならまずいで)体験してみないと納得しないだろうなと説得を諦め、入店。
メニューの値段を何度も確認し、ちょろまかし対策を図る。
42dhのSnackboxを注文、そして46dhを請求される。
42dh払うと、店員は特に何も言わずに素知らぬ顔をして会計を済ませた。
渡されたレシートでは、私が46.61dh払ったことになっていた。(ますますわけわからん。でもこれ書きながら、私も私でなかなか細かいなと思ったよ)
友達にレシートを見せながら先ほどのことを話すと
『まぁ、そういうこともあるよね。』とだけ。
友達の頭の中はもうチキンでいっぱいなのだ。
OK、そういうことならこちらも受け入れよう。
チキンは別に恐れていたほど不味くもなかったし、もちろん美味しくもなかった。コーンと、小さな味のしないパンも付いていた。
CTMバスターミナルに着いた。
エッサウィラ行きの便は1日2本だけ。チケット代は一人80dhかかった。
気温29度、もう歩いてメディナに戻る元気もないので近くのタクシーを拾うことに。
ガイドブックでは、郊外からメディナまで相場はだいたい30dhと書いてあったのでそれを元に交渉。
それでも運転手は50dhと言って聞かない、去ろうとしたら『40dhでどうか?』と聞いてくる。どうせ3人で割り勘するし、安いものだ。乗り込む。
降りるときにメーターをチェックすると21dhだった、(私はメーターが倒されていたことに驚いた)値段交渉は常に鍛錬の余地あり。
マラケシュはモロッコの他の都市と比べてもさらに売り子が騒がしい。
「チャイナ!ニーハオ!」
シカトしていると
「コンニチハ!アリガト!」
「ミルダケ! チョットカワイイ! キンキラ!」
「バカヤロウ!クロサワ!」
さすが観光地、こちらがいくら嫌な顔をしても一切ひるむことなく話しかけてくる、多分この声かけをやめたほうが売り上げは伸びるんだと思うんだけどな。
暑くて全てのやる気が溶けていく、暑さは人をダメにする。
私たちに降りかかる声が全てうざったくなってきて、最後は無反応、ガラスの瞳でメディナを練り歩く。イライラしていた、モロッコに疲れていた。
それでも街中にぎゅうぎゅうに詰められた色とりどりのキラキラひかる土産物を眺めるのは楽しかった。
かわいいカバンが欲しかったが、観光地なので品質もよくないのかなと思って結局その日は買わなかった。
不思議なのは、メディナに並べられた商品はとても魅力的で本当に自分のものにできるのかと疑ってしまうくらい非現実的に美しく見えるのだが、買いたいという気持ちに全くならないのだ。遠くから眺めているのがいい。近づくとあっけなく壊れてしまうまやかしみたいなもの。
街に溢れる独特な香りと、ほこり、常に隙間を縫うようにして走るバイク、ときにはうなじで感じるロバの鼻息。自分の声をサイレンにしてパンやオレンジを載せた荷台を引いてくるおじさん、自転車に乗る青年はゆったりと、誰に当たることもなく進んでいく。
フナ広場を見渡せるというカフェにいく。
屋上まで登り、大きなパラソルの下、しかめ面でオレンジジュースを飲む。
真っ黒になった人影で、マラケシュの日差しの強さが少しは伝わるだろうか。
夕ご飯は、また大衆食堂で。
砂漠ツアーのあとにマラケシュのメディナを回るのは正直きつかった、あまりおすすめしない。
マラケシュに行くのは、心も体力も余裕があるときがいいと思う。
リヤドに帰って感じる、自分の体に染み込んだマラケシュの香りとホコリ。
今日はベルリンも32度まで上がって、暑くてダルダルな気持ちになり、悪態つきながら道を歩いてしまいました。自分は暑すぎると人格まで変わってしまうようです、きっとマラケシュの時もそうだったのでしょう。全然楽しさが伝わってこない、マラケシュ記でした。
それでは!
はじめまして、現在ベルリンで美大受験を目指している高卒のものです!
迷ったり悩んだりすることがたくさんあるので、このようにブログにしていただけることがすごくありがたいです
あとおもしろいです
色々と参考にさせていただきます〜!
ありがとうございます、これからもよろしくお願いします〜:))