朝は大音量のアザーンで目がさめる。
思ったより睡眠の邪魔をせず、(疲れすぎていたというのもあって)
「あ、これがアザーンか」と一瞬思ったのちまた眠りにつく。
カサブランカはそんなに見るものもないらしい、とガイドブックを読みながら友達は言う。
午後にはマラケシュ行きの電車にも乗らないといけないし、そんなに張り切って観光することもなさそうだ。
カサブランカにはモロッコで一番大きいモスクがあるらしい。
その名もハッサン2世モスク(Mosquée Hassan-II )。
正直モスクとかそんなに興味ないけど、モロッコ1でかいらしいし。
とりあえずそこに行ってみよう。
その前にお昼ご飯を、と言うことでガイドブックがおすすめするレストランに向かう。
そこはメディナ(モロッコの旧市街)の中であった。
狭い路地のなかを三人で歩いて行く道中、何人ものひとから
『チャイナ??ニーハオ!!』と声をかけられる。
ベルリンではめちゃくちゃイラつく言葉なんだけどなぜか平気だ。
多分、本当にただの好奇心から珍しいアジア人に声をかけているのだなと思ったし、
実際こちらが『日本人だよ』と言うと
『あ、そうなんだ、コンニチハ!!』と笑顔で言ってくる。
まあ、基本無視してたけど。めんどくさいから。
妹はそんな私をみて『お姉ちゃん、シカトしすぎだよ』と言ってきたけど
彼女自身も全く返事していなかった、なんでかと聞くと
『お姉ちゃんがしてないから』だそうだ、はい。
レストランに着いた。
独特な匂いを放つ、茶色いメディナの道と違い、
そこは青のタイルが敷き詰められ、植物が生い茂る
なんともおしゃれな店であった。実際観光客しかいなかった。(察し)
私はお腹が空いていなかったので、デザートだけ頼む。
妹と友達は、モロッコの伝統料理だというタジンに初挑戦するという。
タジンとは肉や野菜を陶器の専用の鍋で煮込んだ料理、詳しくはググってね。
値段は一つで145dh。だいたい15ユーロとかそんくらい。1600円とか??
まあ、おしゃれな店だし、タジンの相場もわかんないからそんなもんか〜と
注文してみた。
あとでわかることだけど、これってタジンの値段としてははちゃめちゃに高い。
のちに何かを買うたびに
『うわ、これ3個買ってもあのタジンには敵わないんだぜ』とか
『うわ、あのタジンでマラケシュ行けるやん(電車のチケッ代と比べて)』とか
言ってしまう呪いにかけられた。最終日まで言ってた。やばい
タジンがやってきた。
目の前で店員さんがタジン鍋の三角錐の蓋を開けてくれる。
モワッと白い湯気にあがる歓声。
(あとからわかることだけど、タジンって大抵蓋取っ払った状態で出てくる。
あれも演出のうちやね。)
しかし前方の友達の表情が晴れない。
どうした?君があんなに期待していた1600円のタジンだぞ?
鍋をみて、「あ。」と思った。
たくさんのグリンピースがラム肉の周りにギッシリと詰まっている。
私の唯一の嫌いな食べ物と言ったらグリーンピース。
あ、マジパンもだ。あ、あと銀杏、そんでレバー。
友達もグリンピースはまじで嫌いらしい、しかもあの青臭い味がラム肉にもしっかり染み込んでいるらしいので最悪だ。
妹が頼んだ牛肉のタジンには、プラムとアプリコットがのっている。
私、こういう組み合わせ苦手なんだよな〜
ベリーソースと肉の組み合わさった料理とかよくあるけど、最初はきつかったもん。イケアのミートボールにベリーソースかけるのとか。
おしゃれっぽいから、「イケるよ?」って顔して食べてたけど。
まあ、私が頼んだスイーツは美味しかったし、1600円もしなかったのでお気楽なもん。高みの見物といこう。
タジンを食べ終えた二人の感想は「こんなもんか」というもの。
あのオシャンティな店の内装、プロっぽくて意識の高い店員、そしてあのお値段
という三枚のフィルターがかかってもなおこの感想ということは
つまり、あんまり美味しくなかったってことですね。
気をとり直して、今度こそモスクへ。
モロッコは二月といえ、結構暑かった、25度くらいあったんじゃないか。
海辺だったんですね、知らなかったです。
このモスクは海と存在するからこその美しさ、荘厳さだと思います。
妹はモスク内に入りたがってたんですが、異教徒や観光客は入場禁止とのこと。
『キリスト教会は誰でも入っていいのに』とぶーたら言ってましたが、仕方ないことだと思います。むしろ異教徒とか観光客入れない方が、真面目だな、と思う。
いっときモスクでぼけっとしたあと、マラケシュ行きの電車に乗るためにホテルに一旦戻った。
ホテルで置かせてもらってた荷物を受け取ったあと、トラムに乗る。
トラムのチケットは、外の券売機で買う。
英語で買えるし、結構簡単だった。
紙チケットなんだけど、チケット代6dh(紙代2dh足して結局8dh)かかります。
チケット買ったら、改札を通ります。
でも線路出ればふつーに改札通らなくても乗れるよな〜という感じの作りの駅です。見ればわかる。
駅についたら、改札にまたチケットを通す。
そこで90パーくらいの確率で人が待ってて、チケットを回収してきます。
あげるか、あげないかはあなたの自由。
チケットも2回分までのチャージが(一回分が6dh)できるそうなので、まだトラム使うならあげなくてもいいと思う。
カサ・ボヤージュ駅(Casa Voyageurs)からマラケシュまでのチケットは
初日のカサブランカ空港駅の券売機ですでに買っていた。
チケット代は、一等車で150dh。(グリンピースタジン一歩及ばず!)
ここでいきなり、モロッコ鉄道ONCFのチケットの買い方講座!!
駅に行ったら券売機あるよ!
右上角のライトが赤だったら使えないサインなので、他の機械を使おう!
言語を選べるので、英語とか好きな言語を選択。
で、写真撮るの忘れましたが
すぐ発車する電車のチケット買うのか、あとの電車(当日以降とか)買うのか選択して
出発駅、到着駅もタップ。
そしてファーストクラスか、セカンドクラスかを選択。
今思ったけど、一番大事な行程の写真取り忘れてない??
時間帯も選択すると、出てくるのが下の画面。
一番ベストな時間を選びます。
下で、変更不可なチケット、変更可能なチケット、そして一等車にまた変更もできるよ(二等車を前に選択したけれども)、という矢印。
もちろん変更不可なチケットが一番安い。
キャッシュか、クレジットカードで清算できる。
ね、簡単でしょ?
二等車の場合、席指定があることも、ないこともある。
一等車は常に席指定されてる。
でも、みんな指定された席にちゃんと座ってるかというとビミョ〜
実際、私も席違ったけど車掌さんも何も言わなかったし誰も「ここ、私の席だよ」と言ってこなかった。
でも一回、赤ちゃん連れのお母さんが「私の席、ここだから」と先に座ってた女の人を移動させてたので、
「ここで正しい席に座ろうとしたらKYかな〜」とかまでは思わなくていいと思います。
好きなように生きようぜ!モロッコだもん!
実際、二等車と一等車がどんくらい質の差があるかはあんまりわからない。
値段もせいぜい?500円くらい高くなるくらいなので、一等車にしてもいいんじゃないすか、くらいの気持ち。
あ、でも500円だったら一食分くらいか…
私たちは1時間以内くらいなら二等車、4時間くらいの移動には一等車って感じで使い分けてました。
でもマラケシュからフェズまでの6時間くらいの移動は、二等車でも問題なかったので、多分そんなに違いないと思います。
一等車の方が治安がちょと良くなるのかも?
カサブランカからマラケシュまでは3時間弱でつきました。
マラケシュが最終駅だったので、別に乗り過ごすこともなかった。
マラケシュ駅では、リヤド(中庭をもつ家。モロッコではゲストハウスとして使われていたりもする。)のタクシーが迎えに来てくれていた。
タクシーひろうのめんどくさかったり、不安だったりしたら事前に予約していていいと思う。
人の多さがカサブランカの比ではない。
どんどん横断していく人たち、車と車の間を縫うように進んでいくバイク。
しかし、まるで筋肉を持ったかのようなねったりとした柔軟な動きで車は進んでいくので、
事故にあうかも・・・と言ったような心配はない。
渡っていく人も危なげなく、まるでモロッコの人々がお互いの心を読めているかのようだった。
こんな中、スーツケースを引いてGoogle map片手にリヤドまでいける気がしないや。
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では、一旦ここまで。
<次回予告!!>
マラケシュの勢いに圧倒された私たちがたどり着いた先とは…??
疲れ切った私たちに襲いかかるさらなる試練…
それでは、おやすみ〜〜