今日はベルリン王立磁器製陶所(KPM)見学に行ってきました。
1763年にフリードリッヒ大王によって創立された磁器製陶所。製品マークは、選帝侯ブランデンブルクの紋章からきているコバルトブルーの 王の笏がすべての製品に付けられているそうです。今調べたんですけど、かなり歴史のあるところなんですね。
では早速レポート始めます。
陶磁器粘土を絞り出し、切断して並べて行きます。
乾燥しないように、湿気った部屋で保管される陶磁器粘土。この部屋の空気好きだった。
工場のいたるところで、大量の磁器が並べられていてとても緊張してしまった。私、破壊魔と呼ばれていたこともあって、壊れやすいものを前にするとちょっと焦る。(にしては色々雑なんだけど。)なんかの拍子にこけたりして、並べられた磁器を全て壊しちゃうんじゃないかって、恐る恐る歩いてた。でもそういう事故、絶対ありそうだよね、こんなにたくさんあったら。みんなプロだからそんなことないのかな。
こちらではフィギュアを作っている。全てのパーツは型に注がれた磁土から成る。
足、頭や胴体を別々に作って、ここでくっつけてつなぎ目を隠したり、足の爪など細かいところをさらに彫ったりする。かなり緻密な作業。
ここでは液体状の磁土ではなく、粘土状のものを使う。一番最初に成形されたシリンダー型の磁土から必要な分だけ切り取ってろくろに載せる。
職人さんはやすやすと作っていくが、これが本当に難しいんだよね。私まだろくろもろくに回せません。
最終的にはかなり小さくなるんだよ、と見せてくれた。奥が乾燥させたやつ、手前が完成品。
でかいオーブン。ここで第一焼成を行う。20時間ほど焼くらしい、そんなにかかるなんて知らなかった…..
手前に並んでるのが、焼く前ので、奥にあるのがすでに焼成終わったもの。
奥に進むと、さっきまでは白い磁器しかなかったのに
青い磁器がたくさん並んでいて、「なんでだろ?」って思ってたら釉薬でもないらしい。
この青い液体につけると、割れ目や破損しているところがくっきり浮かび上がる。釉薬につける前に、破損を直すために必要な工程。この青い液体は、焼けば透明になってしまうそう。
このオレンジは、釉薬を避けるために塗るもの。細工が繊細な部分に釉薬を塗ってしまうと、釉薬が入り込んでうまく彫りが活かされないとのこと。もちろん、このオレンジも焼けば透明になる。
絵描くときに、ハミ出たくないところにマスキングテープ貼る感じです。
白い釉薬たっぷり入ったコンテナに、とっぷり磁器をつからして一瞬で取り出して震わせながら余分な釉薬を落とす。釉薬はあっという間に膜を張って乾いてしまう。
今度は、絵付けの部屋に移動する。常に機械音で騒々しく、あたり一面真っ白だった場内とはうって変わり、静かで、木漏れ日が眩しいくらいの明るい室内。
この工場で働くならここがいいぜ…おばあちゃんの庭みたいな雰囲気。
一回塗って焼いた後に、薄かった部分を塗り直したり、金色や銀色など(低温で焼かなければいけない色)の部分を塗ってまた焼き直す。
「一人として同じ技術を持った職人はいない」と言っていました。(そりゃそうか、私の聞き間違いかも)
実験に使われる、フラスコ、シャーレやビーカーからインスピレーションを受けて作られたキッチン用品。おおよそ食とは結びつかないようなものを面白く、日常に持ち込んでいってる。日本でも、本物の実験器具使ったカフェがちょっと話題になっていたような。
瓶に水いれて水筒がわりにしてる人はいるけど、磁器(コップ)を持ち歩くって発想はなかったから面白いかも。プラスチックタンブラーよりもだいぶ高級感あるしね。(そうは言っても買うかは微妙だが。)
実はこの工場には一年前にも見学にきたのですが、その時よりだいぶ楽しかった。自分が今回磁器をやるから、興味の持ち方が桁違い。静かに作業してる職人さんも、ちょっと質問したらいっぱい教えてくれるから嬉しかった。
工場見学するたびに思うことは、いろんな人の手がかかった物に囲まれて生活してるんだなってこと。入荷するまで細心の注意が払われて、丁寧に丁寧にこだわって作られたものたちをこれからも大切に使っていかなくては。(本当にそう思うんだよ、作ってる人の姿みたら。)
それでは、今日はここまで。また次回〜