大学に受かったは良いものの、それで入学できるかといったらそうではありません。
語学証明や、Vorpraktikum(事前研修)が必要だったりします。
デザイン学部ならC1レベルのドイツ語が求められることがほとんど。私の大学は、入学後も語学証明は半年ほど待ってくれましたが、他の大学は入学までに用意できなかったら入学許可は降りなかったりとそこは大学によって厳しさが違うようです。
そしてもう一つ課されるのが、Vorpraktikum!
デザイン学部は入学前にどっかで事前研修しなきゃって聞いてはいたんですけど、そのころは試験に合格するかもわかんない状況だったので『ま、そんなん受かってから考えれば良いしょ』と後回しにしていたんですな。
そしてやっぱり大学様は公式の合格証明書とともに『6週間からの8週間のVorpraktikum』を申し付けてきた。
すでにデザイン学部で学んでいたり、働いたことのある人は免除されるっぽい。(そこらへんはあんまり詳しくわかんない)
でも高校出ただけの私、まあ絶対しなきゃだよね、Vorpraktikum。
VorpraktikumはVorpraktikumでも、家具工房や、何かプロダクトを実際に作るところで研修するように、という条件付き。
カフェで店員とか、パン屋で、とかではダメっぽい。一応プロダクトデザイン学部の事前研修なので。
でも見当もつかない、どこですれば良いんだ?
工房持ってる知り合いとかもいないし、Vorpraktikumしたよ、という人も聞いたことなかった。
Vorpraktikumでは、PraktikumとかAusbildungとかと違って、雇用主も研修者に給料を払ったりしなくて良いので(諸説あり)
結構お願いしたら受け入れてくれる、そうなんですがそれでもやっぱりなんとなく心配(というかめんどい)
ということで、Vorpraktikum受け入れてくれる工房を集めたサイトに飛びます。
『Vorpraktikum Berlin Werkstatt』とかで検索したら、Indeedとか出てきます。そこで探しても良いし、
Googlemap開いて、『Berlin Tischlerrei』とかで検索して引っかかったところを片っ端から見ていくとか。
Werkstattって工房って意味で、結構ざっくりしてるのでTischlerei(家具製作所)とかまで絞った方が適したものが見つかりやすいかも。
そして目星がついたらそこにメールを書いてVorpraktikumしたい、とお願いするか
直接出向いてお願いするか(⇦こっちの方が確実だし、楽!)ですね。
私はKreuzbergのまじで普通のTischlereiでVorpraktikumをしました。
めっちゃあっさり受け入れてくれて、安心するとともにVorpraktikumという制度がドイツでは当たり前に染み付いているものなのだなと思いました。(最初は日本に一時帰国して、どっかで研修しようかなと思ったけど一年スパンで研修生を募集しているところがほとんどで、ガチすぎて諦めた。)
もちろん誰でもOKって訳ではなくて、大学の合格証明書を持っていき『入学許可を得るために必要なんだ』と理由を言う必要はあります。
でも比較的簡単。給料を払わなくても良いってのも、相手にとっては気軽なのかもしれん。
申し込みが済んだら早速次の日から研修開始です。
〜毎日のスケジュール〜
朝の7時半から10時半
朝ご飯休憩挟んで
11時から14時くらいまで 週5、一日7時間の6週間コースでした。
まっじで早起きがきつかった…..7時半とか、高校生かよ!ってな!
やったことは、2年前のことなのであやふやなのですが
シリコンを窓枠の隙間に絞り入れてならす
釘穴をシリコンで埋める
材木を大工さんが切りやすいように並べる
汚れた窓枠の塗装を綺麗に剥ぎ取る
スプレーした後の窓枠を丁寧にやする
工事現場の見学に行く
とか簡単かつ、そんなに力もいらないことをやらせてもらえました。
重い材木とかは運ぶことはなかったな、私たち(女友達と一緒にやった)に与えられる仕事をひねり出してくれているように感じた。
その工房で働いている人はほとんどAusbildungとかの人で、大学でピアノを勉強してたけど今は大工を目指している人とか、
大学入学のために事前研修してる男の子とかもいた。
みんな優しかったけど、正直早く終わらせて〜〜って時間だったな。日本の工具とかがよく使われてて、鋸はJapaner(日本人)って呼ばれてた。大工さんに『釘とって』とか『シュパーテル取って』とか言われてたので、専門的というか、普段生活してたら知ることはないドイツ語単語を学ぶことができた。
何気なく使ってるドアとか、家の窓枠もこんなに人の手や工程がかかってるんだとは知らなかったし、今までとは違って少し親近感を持って彼らと接することができるな(と当時は思っていた、)
完璧な男社会で、女の人が一人事務してるくらい。
普通のアパートの中庭を抜けたら工房があって、お昼ご飯は地下で食べてました。友達の彼女が作って持たせてくれるお弁当がめちゃクチャ美味しかった思い出。ないときは近くのLIDL行ってパン食べたり、スズメに餌やったりしてた。
常に服が汚れるので、作業着的なものが欲しくなった。つなぎとか。重いものがそんじょそこらにあるので、靴も丈夫なものを履いて行った。
女の人のおっぱカレンダーがあって、これが日々の労働を癒しているんだろうな〜と思いながら見ていた。
一番上の大工さんは私たちには優しかったけど、イライラしてる時は結構分かりやすくて『シャイセ!!』とか『Verdammt!!』とか言いまくってました。
私が好きだった作業はこれ
6週間お世話になって、最後に事務のおばさんから『mimiはここで何月何日からいついつまで働きました』という証明書を描いてもらって即帰宅!!
終わったあとは、もうこれから朝もゆっくり眠れることが嬉しかったな〜〜〜
Vorpraktikumは思ったより始めやすいし、結構ドイツでは普通の制度なんだなと思いました。まあ毎日きっちり7時間働きましたが、ドイツ語がペラッペラでなくてもやっていけるし、めちゃくちゃきついわけでもなかったです。(私の場合)
でもまたここで働きたいかと言われると微妙。正直つまんなかった、次はもっと自分が興味あることを選んで行こうと思いました。(当時はVorpraktikumができさえすればどこでもよかった)
大学によっては三ヶ月から六ヶ月のVorpraktikumを求められることもあったり、研修期間は大学によりけりです。
Vorpraktikumについてはここまで。
まあ意外とイケるよ、って話です。今回はプロダクトデザインのVorpraktikumについて書きましたが、他のデザイン学部のそれについてはわかりません。
それでは〜!