yukaさんインタビューの続きです、今回は美大生活についてまた詳しく書いていきたいと思います!
M:大学生活で楽しいことは。
Y:楽しいことは…全部楽しいですね笑。
やっぱり、制作に集中できる環境が整っていることもありますし
何より一週間や二週間という短期間で一つの作品を仕上げるというペースが私にはちょうどいいです。
制作時間が短すぎてきついっていう人もいるとは思いますが、私はじっくりテーマを考察したり、調べたりしてから取り組み始めるというより、頭にうかんだアイデアやインスピレーションからすぐに手を動かしてものを作りたいっていうのがあるので。
直感はそれまで自分が見てきたもの、考えてきたものの蓄積から、意識下で紐づいたものが、ポンッと表に出てきたものだと思っています。
そしてそれを応援してくれる教授もいるし、まずはやりたいことをやらせてくれる。始めにテクニックやノウハウを教えるというよりは、質問したらその都度より良い方法を教えてくれる、といった感じです。
一から基礎を学ぶよりは、作りながら考えるというこのやり方がスピード感があって私には向いていると思いますし、楽しいですね。
気軽に相談できる環境
Y:また、一年目に大学内の色んな工房(ハレの美大は工房が充実していることで有名。メタルや木工、プラスチックの工房などがある。)をまわって、工房の人(マイスター)とやりとりができたのも良かったです。自分が全く知らない専門分野の人と話し、意見を交わすことで、想定もできなかったもっといいものができる過程が楽しいですね、ワクワクするというか。
こういうのって家で一人で制作しているだけじゃ身につけられない知識とか技術ですよね。
工房は気軽に遊びにいってすぐに相談できる、制作には欠かせない場所になっています。
M:工房のマイスターから直々にアドバイスがもらえる環境、聞けば聞くほどいい大学だな….。
Y:また、各分野にチューターがいて(学生がやっている、Adobeソフト、アニメーション、ポートフォリオ制作など)気軽にメールなどで相談できます。

M:それはいい… 私もメール送りたいです笑 大学で大変なことはなんですか。
Y:大変なことはいっぱいありますね笑
例えば、同級生や教授とのやりとりがスムーズにいかない時はストレスを感じることも。
また、ドイツ語ができたとしてもみんなの前で作品についてレビューを言ったりするのは難しいです。批評やアドバイスなど、特に感覚的なことや概念的なことは日本語ですら言うのは難しい…笑。
自分のドイツ語が相手に伝わらなくて、『どういうこと?』と聞き返された時にまたどうやって言い直すか、とか。こちらはもうすでに全力のドイツ語で説明しているわけですから、『これ以上どう言えばいいのだ?』と一から頭の中で言いたいことをまた組み直す感じです。
ドイツ語の勉強は大学生になっても続けるべきだとは思うべきですが、美術批評の本や資料をもっと読んで、作品を言葉にするトレーニングも必要だなと感じています。語学ができれば解決することでもないと思うので。
私は常に自分の作品を見て『もっとこうすればいいな』と思ったら『なぜそれをするともっと良くなるのか』と直感的に感じたことにちゃんと理由をつけるようにしています。『なぜそう思ったか』という考え方を習慣づけることで、他の人の作品のレビューをするときにもっと建設的な意見を言えるようになると思います。
M:ドイツの美大は特にコンセプトや、理由を求める気がします。
Y:また、私の美大はカリキュラムが不明瞭というかいつまでにどのくらいの単位を取っておかなければいけないかという説明が少なすぎる….笑。
大学一年生の時に単位表(学期別に取るべき単位数や講義の種類が記されたもの)をポンともらうだけで、それについての説明も特にないんですね。
その表見ても『この数字は何をあらわすんだろ?』って感じだし、分かりづらいことは積極的にドイツ人学生とか事務局に聞いていかないと、知らない間に留年してそうです笑。
なんとかなるだろう、っていう受動的な姿勢だと置いていかれる感はあります。
M:私も一番最初にあの単位表もらった時は焦りました、分からなさすぎて。あれドイツ人でも理解してない時ありますもん。

今回でやっとインタビュー記事終了です。
いかがでしたか。
今回もまた詳しく他の美大のお話が聞けて私自身、とても楽しかったです。
コミックを出版したり、作品を連載したりと精力的にコミック作家として活動を続ける彼女。
Yukaさんのコミックはどれも彼女のあたたかい人柄と、深くて自然な考えを感じさせるものばかりです。
yuka masukoさんのwebサイトはこちら
また引き続き美大生インタビューは取り組んでいこうと思います、お楽しみに!
それでは!