ドイツ来て変わったこと

ドイツきて3年経ったし、自分がどう変わったかなって思って書き出してみました。

大人になった、ってなんだかぼんやりしているし大人の定義もよくわからないですけど、少なくとも高校の時より何が変わったかな〜って思うことをつらつら書いていこうかなと思います。

自分の好みかそうではないかを別として、完全否定しなくなった

高校生の頃って潔癖と言うか、無理なこと、受け入れられないことは反射的に『ムリムリムリムリ〜〜!!絶対やだ!』みたいな感じだったんですよ。政治的な意見ではどうしても違うやろ、って思うこととか、もっと『ダメなものはだめ』みたいなことはあるんですけどね。ここでは、他の人の趣味、とか考え方とかのことです。ドイツにきて本当に色々な価値観に出会って、いちいち『ムリムリムリ〜〜!!』ってやってられないってのがほんとのところかもしれない。

『怖い』とか『気持ち悪い』とか言って、距離を置くのが嫌なんだろうな。それで終わりになってしまうから。
あと、なんだろう、特に自分がこれいいでしょ〜って感じで紹介したものにそういう反応されると『それだけ?そこで止まっちゃうの?』と思ってしまうからだな。思考停止してしまっているように感じる言葉。

もちろん『気持ち悪いけど…』から始まることもあるよ!

一時期、『私は全ての価値観を受け入れる、余裕のある大人になるんだぜ』と息巻いてたこともあるんですが、とっきどきまじでキャパオーバーなことがあるのでそれは無理せず『ムリムリムリムリ〜〜!!』ってやってます。

ゆるい曲とか、ゆったりした映画を楽しめるようになった

なんだろう、高校の頃って激しい曲じゃないと聞けなかった、ゆるい〜サビもあんのか〜?って言うような曲は我慢できずに次の曲にスキップしてたりしてた。なんのための音楽?ってさえ思っていた、あんなの聞くという行為に入るのか?みたいな。な〜んもないところずっと眺めてるようなもんじゃんって。

でも手嶌葵さんに出会ってから、全てが変わった。彼女の静かで深い声を聞いてから、ずっと今まで私の曲の趣味は人からは『ゆるいね〜』と言われるものに変わった。これはただ単に趣味の変化の話なので大人になった、とかは関係ないと思うんだけど。高校生の頃は『なんもないじゃん』って思ってた音とか空気とかから、今まで積み重ねてきたきもちとかできごとを感じて共鳴させているのかなと思う。(つまり、歳を重ねるにつれて色々体験するから、『わかるわ〜〜、この気持ち!』みたいに曲に共感できることが多くなってきたということです、それがゆるい曲のチョイスに関わるかどうかはここでは置いといて)

追記:最近は結構激しめ&声が特徴的な歌ばかり聞いてます。ストレス解消!!!

まずいものを腹いっぱいより、美味しいものを少し

これは本当にそのまま、書いた通り。
私のお母さんはまずかったら容赦なく残すし、健康的でない食べ物はまじで口にしない。(でもまじで青臭い青汁とか臭いがきつい漢方茶とかは飲む。)『美味しいものが少し食べられたらそれでいい』と言ってて、いつもお腹いっぱい食べてた私は『少しって、お腹すくじゃん』って思ってたんだけど
ある日、美味しいものを少し食べた時にその豊かさ、みたいなのに気づいたのです。(もっともらしく書いてますが、ドイツいて日本の食べ物に恋い焦がれてる時に友達が持って来たプリッツを一袋食べて悟りがひらけたってことです。)

好きなタイプは『しっかりしてる人』だったけど、自分がしっかりすればいいんだ、自分が一番頼れるのは自分ってことになればいいんだと

好きなタイプは?と聞かれて『しっかりしてる人』っていつも一番最初の条件として出てきてました。私のお父さんってかなりしっかりしてる人なんです、多分今ままでの身近な男の人で一番と言っていいくらい。だから子供の頃もかなりの安心感があったし、ドイツに行く時一番心配だったことは『もし私のパソコンが固まっちゃたら、私は一体誰に助けを求めればいいんだろう』ということでした。『お母さんはいい人を見つけたな、私ももし結婚することがあればこんなにしっかりしてる人とがいいな。』と思っていたのです。(は〜照)

でもこの考えって、あんまりにも相手に頼りすぎだなっと思いました。

ある日の夜『いや、私、なんでパートナーにばかり求める?自分がしっかりしてればいいだけじゃん、それが一番いいじゃん。何かあったら一番頼りになるのは自分だけだし』と思ったのです。すっごく気が楽になりました。

パートナーにこうあってほしいな、とか考えるのはまあ普通のことだと思うんですけど、でも『しっかりしてるか、してないか』は今のところもうどうでもいい条件となりました。

マックとかも食べるようになった、衛生観念の低下

言うて、一年に一回他の選択肢がないときとかに食べる、くらいなんですけどね。あと書き方が悪かったです、マックが不衛生とかではなくて、ドイツ来てから衛生観念が低くなったと思います。

もう土足でどんどん部屋あがるし、(こっちの人がってことね)汗かいても『明日シャワー浴びるから』みたいな感じでそのままベットに入るじゃないですか。

子供の頃、一回道路に落としたリンゴをそのまま拾って食べてた人がいて、それ見た友達が『うわ、見た?ありえん』みたいに言ってて、私もその時は壮絶な衛生観念の人だなと思って見ていたんですけど、

いまは気抜いてたら、落ちたリンゴそのまま拾って食べるかもしれない。ちょっと拭いたりするかもしれないけど。

あ、でもデンマークかどこかの学生が自分で作ったパスタを五日後に食べて亡くなった、っていうニュースを聞いたことあるので、気は引き締めていこうと思います。

なんか、死にはしないだろうと思えば大抵の不潔と言われることって乗り越えていけると思いますね。潔癖症気味だった妹もドイツ来てから、一緒のペットボトルで水飲めるようになったりとか鍋も同じ箸でつつけるようになりました。めっちゃ一緒に過ごしやすくなった、でもジュースとか真っ先に口つけて飲んで妹から独り占めする、みたいなことができなくなったのは残念。(すぐ人の弱みにつけ込む女です)

一人の時間欲しいってちゃんと思うようになった

『一人の時間が欲しいタイプ』って言える人ってすごくかっこいい〜大人〜って思ってたんですよね。猫っぽいし。でも自分はそう言う人なのかいまいちまだわかってなくて。しかし今まで生きてきて、確かに一人の時間は必要だなと思うようになりました。それだけです。

変に構えて、返信を遅くすることがなくなった

これもなんか、よくない若さゆえのカッコつけ、みたいな感じなんですけどね。
『LINEすぐに返信するの、なんだかいつも暇みたい』とか『即既読つけるのってがっついて見えるかな』とかそういうこと考えてたんですけど

返信遅いのって単純にめんどくさいし、自分があえて、そういうことをする人だったからかなかなか返事しない相手も同じこと考えてんのかな?って思ったりしてそこまでくると一周回って『もうカッコつけんのやめよ』と、テキトーに自分がしたいときに返信するようになりました。

でも今じゃなくてもいいかな、っていうのは置いてたりする。遊びの時間とか、場所とか早く決めた方がいいことを優先的に返事したりしてます。

あと、これあるあるだと思うんですけど、返信のスピードって相手に合わせちゃいませんか。『あ、この人毎回6時間空けてくるな〜』とか

面白い反応を心がけなくなった

いきなり『うわぁ!』とかからかわれたり、ジョーク飛ばされた時とか、時々ただ驚くだけで小粋なリアクションができないときがあるんですね。他の人はちょいちょいやり返したり、冗談がえしとかしてて小慣れてるんですけど。

私はあんまりそういうのがうまくない。

そういうことがあるたび『あ〜、面白くない人って思われただろうな』となんかちょっとモヤモヤしてたんですが。
でも私がいざ人にちょっとふざけてみたときに相手の反応が『はぁ..て…』って反応された時に相手に『なんだよ、つまんないリアクションするな』ては全く思わなくて、『あ、私の笑いの鍛錬が足りんかったな….』って思ったのです。巻き込み力?”ほんとに”面白かったら、された相手も『ポカン?』とならずに爆笑するはずなので。

それからは色々されても、変に構えることなく面白がったり、驚いたりしてます。

幽霊があんまり怖くなくなった、人の方が怖い

幼稚園の頃は、夜ふと目覚めた時に月に照らされたシーツの影とかが魔女の顔に見えたりしてすごく怖かったのを覚えています。
高校生くらいまでちゃんと幽霊怖かったです。
ホラービデオとか観た後に、怖がってたらお父さんに『今まで出てない家なんだから、今更いきなり幽霊出てきたりせんさ〜』って言われて、すごく納得してそれから家は安全地帯ってことにしてました。

今は人の方が怖いです、夜に誰かベッドのそばに立ってたら『強盗!?』ってなるでしょ。

体験したことないことを勝手に『楽そう』とか『つまんなそう』っていうのをやめた

これはまあ、自分が言われたこともあるから、って感じすね。
私これ言いまくってました。やったこともないくせに。

でも今まで色々想像もしてなかったことをやってみて、『あ、意外ときついな』とか『ここに気をつかうんや』みたいに全然思ってたことと違って。なんでも、なにかしら(当たり前だけど)大変なことってあるなと思って。

あと人それぞれの状況とか前提から違いがあるので、単純に比べれらるものではないし。

あと、そもそも知ったかぶりしたくないという気持ちがあります。

おばあちゃんにテレビ見ながら『この仕事楽そうね〜全然お客さんも来んでつまらなさそうだし』と同意を求められて『わかんない』と言ったら『なんでね』と横で聞いていたお母さんに言われて『やったこともないし、勝手に決めつけられたら嫌じゃん』と言ったら『あ、私の「わかんない」の理由より優しいわ』って言ってました。

お母さんはなんであのとき『わからん』かったのかな〜

人とまあ喋れるようになった

拙いドイツ語で、伝えたいことがあるのになかなか言葉が出て来なくて『う〜ん』ってなってしまうときとかに『日本語だったら…!』と強く願うことがあって。

そのためか分からないですけど、日本語を喋る機会があったら『日本語やん!!自分の思ってることそのまま言葉にしてもいいやん!!』と水を得た魚のように語れるようになりました。

でもそもそもが人と喋るように作られた人間ではないので、限界はあるのですが。前よりはだいぶ口を動かすようになったと思います。

一瞬理解できないことが起こるが、よくよく聞いてもまだわからない、が自分の語学力のせいではないこともある

ドイツで生活していると、まさに事実は小説より奇なり、ってなことをよく耳にして。

その度に『あれ?自分勘違いしてるのかな?ドイツ語難しいしな〜』となりがちなのですが、なんどか聞いてみるとやっぱり合ってるっぽい。

『え?嘘やろ?え?ほんと、なんだ〜へぇ…..(??)』となりながらも必死で理解しようとしています。

例えば、(最近来ない画学生の同級生は、ジャングルで反体制活動をしていて、この前の警察との衝突でメンバーの一人が死亡。そのため活動がさらに激化し、今は大学にくる余裕がないとのこと。)

ね、これもし最初に昼の学食とかで普通の顔したクラスメイトから聞かされても最初はまず自分のドイツ語能力疑うでしょ?ジャングルってどこのや….

あきらめるんだ!!!あきらめろ!!

ドイツはテキトーなところはまじで『人の人生なんだと思ってるの?!』ってレベルでテキトーだったり理不尽だったりするので。

諦めなきゃいけないときはすっと思考停止であきらめるようになりました。

今のところはこれくらいです。

実はこれは去年くらいに書いた記事なのですが、今出してみたいと思います。

ちょっと今と文章のテンションが違いすぎて、『なんかこのとき元気だな…』って思いながらの投稿です。

それでは!

P.S. 西加奈子さんがオードリーの若林さんとラジオしているyoutube見つけて、聞いてみたんですけどほんとに面白かったです、違法アップロードなのでここに貼ることはできませんが。西さんの本は読んだことなかったんですけど、彼女自身がすでにもう物語みたいな人でした。まじで一回聞いてみてください。

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