こんにちは、まずはどこから話し始めましょうか。
今日は私がベルリンで参加しているプロジェクトについて少し紹介したいのです。
私はベルリンの美大でプロダクトデザインを学んでいます。
今回のプロジェクトは私の友達で同じ丑年の功平さん(UdKでメディアアートを専攻中)に誘われる形で参加しました。
功平さんは明和電機の工員さんAとして働いていた人です、詳しくはこのリンクをご覧ください。
『UdKで学生寮用に廃材から椅子を作ろうってしてる人がいて。お手伝いにこない?彼はプロダクトデザインを勉強していた人だから、色々勉強になると思うよ。(キラーワード)』
その彼というのが拓也さん、彼はUdKでビジュアルコミュニケーションを専攻している大学院生でした。(卒業済み)
その時は『へぇ、なんかゆるそうだし楽しそう。フォトショとかCADとか教えてもらえそうだし、いいな』と即決したのですが、
今言えることは、これ、かなりガチっぽい…..!!!
でもお母さんもめちゃ喜んでたしな、
『よかったね〜、あんた!色々勉強になるたいね〜!!チャンスよ、それ!』
そうだ、今回はmy dear Motherに向けてプロジェクトを説明する感じでいこう!スタンスが決まった。
学生寮用に安くで家具を作ろうというコンセプトから始まったこの企画。
材料費を浮かせたいということで、マテリアルとして目をつけたのがパレット。
パレットっていうのは、ベルリンのあちこちに落ちてる、あれです。
これを街中から集めてきて、解体してからスキャンしたのちCAD上で椅子の形に組み立ててってやってました。(これはあとでまた詳しく説明する。)
このパレット、解体するのめっちゃキツイんだよな〜〜。(by 功平さん)工房で『うるさ』って顔みんなにされながら、それも気にせずハンマー打ちつけてやっとこさバラしてます。
今年のUdKのRundgang(学生展示)では今まで作った3つのプロトタイプの展示もしました。
この準備で毎日深夜まで残ってて、まじ死んでた、痩せた。
ちょっと愚痴多めになってきたね、でも心配しないでお母さん、それなりに楽しいから!!
今はまたコンセプトや目的が色々変わってきて、プロジェクト名も変更しました。
MODULAR2.0改め、
eGambiarra です!!
これなんて読むの?って思ったでしょう、私もまずググりました。(なんて読むんでスカ?なんて聞けないし)
イーガンビアッハです!
Gambiarraというのはポルトガル語で、『今あるものから即席で今必要なものを作り出す』という意味だそうです。
ブラジル人の友達はRを発音していなかったので、Gambiarraもきっとガンビアッラではなく、
ガンビアッハ!! ちょっとずつ覚えていこう〜
最初に『e』がつくのはデジタル近未来感を出すためです。
コンセプトは個体ゴミ(パレットとか)から家具を作るというものであんまりそこは変わってません。
ベルリンに捨てられてる廃材を集めてきて(ベルリンって本当になんでも捨てられてますよね、蒸し器、テレビ、棚なども使える状態で道端にボーンと置かれてます。)
それをまずスキャン。普通のコピー機のスキャン機能使ってスキャンしてます。しかも大学のコピー機小さいから、廃材もいちいちカットしてからスキャンしてます。
将来的には3Dスキャナ欲しいね、って三人で話してますが、なんせ金がない。
まずは片面だけスキャンして、CADソフトに取り込みます。
廃材の厚さもキチンと測ってからCAD上に3Dの廃材を出現させるわけです。
母『CADってなに?』
CADはまあ、なんていうか3D空間でものを作れるソフトです。パソコンの中に箱を作って、その中で奥行きのある物体をデザインできるというか。説明しにくいですが、画像を見れば一発でわかります。私はこういうことができるようになるなんて全く思ってませんでした、めっちゃハイテクっぽいというか、デジタル音痴の私には遠い世界って感じが強かった。
はい、そうしてCAD上でスキャンした廃材を組み合わせて椅子の形を作ります。
そこで足りない部分のパーツをまたデザインしていきます。
ここで出てくる私たちのこだわりポイント!
私たちはFusion(CADソフト)を使っているのですが、そこでは構造計算ができるのです。
母『構造計算??』
CAD上で椅子を組みたて&足りない部分は3Dパーツで制作を終えた後に
上から100キロの力が加えられたら、とか横から50キロの負荷がかかったら、というのをシミュレーションできるのです。
Gambiarraなんてちょっとおおらかめのネーミングですが、安全対策はバッチリとがモットー。(じゃないと商品化もできないしね)
構造計算をすれば、どの部分が壊れやすいかなども一目瞭然です。弱い部分をサポートする3Dパーツも追加していきます。
そうして出来上がったジョイントパーツは3Dプリンタによって作られます。
これもすごく時間がかかる…。
私たちの野望:3Dプリンタ10台くらい買って、一日中プリントしてる部屋を作る。
プリンタの質もピンキリですが、最近は100ユーロくらいで買えちゃうのですね、ちょっと欲しくなってきた。
私たちは『一家庭に一台3Dプリンタがある将来』も夢想しています。
できた3Dジョイントパーツと廃材を組み合わせて椅子を作っていきます。
ジョイントパーツも仮想空間で作られたものなので、現実にやってくるとサイズが合わなかったりします。
そこで功平さんの出番。
廃材を少し削ったり、ジョイントパーツをヒートガンで熱して形を変えたりして組み込んでいきます。
ガンプラ好きな人はハマるかもしれない3Dパズルみたいな作業です。
作り方はこんな感じですかね。
もっと知りたいって方はお気軽に見学&ご質問どうぞ〜〜
母『これからやっていきたいことってある?』
あ、そうだね…今のところプロトタイプ作りに精を出しているところ。
あとは
made in Berlinみたいに銘打って、ベルリンのパレットから家具を作って売ったりしたいかな。
そして被災地とか災害の現場で、即席で家具を作る方法を考えているところ。
拓也さんが最近もってきたエキポシを流し込んで作るカラフルな家具作りもおもしろうそうだなと思ってるよ。
しかも再来週月曜(2018年12月3日)からこのプロジェクトの展示をします!
UdKのDesigntransferという場所でやります。住所は以下です。
展示は12月7日までです!あっという間に終わりそう…ぜひ来てね!
その前に!!!
シンポジウムとオープニングセレモニーが来週金曜日(2018年11月30日)が同じ場所で18時からあるので
ご興味のある方はどうぞ〜☺️
これからの進化を私mimiもここに記していきたいと思います。
お母さんも時々チェックしてね。
それでは、良い週末を。